新着情報

2024-03-15

仙台で成年後見人となった方の為に生前・遺品整理をご紹介します

 

日本は世界でも有数の長寿大国で、男女共に平均寿命が80歳を超えています。※

長生きすることは良いことですが、一方で高齢ならではの弊害として認知症や判断能力の低下が問題視されております。ここでは、判断能力の低下にお悩みのご家族から「成年後見人」に選任された方のために「成年後見人とは何か?」「成年後見人は生前・遺品整理ができるのか?」をご説明いたします。※

 

※厚生労働省 令和2年「簡易生命表」平均寿命の国際比較参照

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life20/index.html

成年後見人制度とは?

前途では一例として高齢に伴う判断低下をご案内しましたが、その他にも知的障害や精神障害などの理由で、判断能力が不十分な人の財産を管理したり、身の回りの世話を支援するのが成年後見人制度です。

成年後見人制度は2種類

成年後見人制度には、すでに判断能力が低下していて不十分な人の為に、家庭裁判所の審判により選任される「法定後見制度」と、まだ元気だけど将来に備えて自らが選んだ代理人と契約する「任意後見制度」があります。

 

任意後見人は自分で選ぶのに対して、法定後見人は家庭裁判所が後見を受ける方の判断能力度合いにより「補助」「補佐」「後見」の3つの種類(類型)から人材を選びます。3つの種類ではそれぞれ以下の様に権限が異なります。

 

・補助

ある程度自分で理解できる状態の人の補助として「同意権」「取消権」「追認権」が認められています。

 

・補佐

簡単なことであれば理解できる状態の人の補佐として「同意権」「取消権」「追認権」が認められ、本人の同意があれば「代理権」を認められます。

 

・後見

身の回りのことが何も行えない人に対する「代理権」と合わせて「同意権」「取消権」が認められます。

成年後見人は生前・遺品整理をできるのか

成年後見人は、判断能力が低下したご本人に代わり契約行為の変更や財産管理支援をします。依頼人の意思を尊重し許可を取った上で、生前整理をすることができます。しかしながら注意が必要なのは、後見人の業務範囲が後見を受ける方の生存期間中に限ることです。

葬儀等をおこなう「死後事務」などは含まれず、ご本人が亡くなった時点で後見人の業務は終了となります。業務終了後はこれまでに発生した経費を精算して相続人等へ引継ぎ案内をして終了となります。

 

以下では成年後見人ができることと、できないことをご案内します。

成年後見人ができること

成年後見人の業務は、どんなことでも代理でできるわけではありません。

 

・財産管理

財産は前提として現状維持する必要があります。預金等の管理や年金の受領手続き、不動産からの賃貸収入の受け取りなど全ての財産に関する手続きを行います。

 

・身上監護

後見を受けるご本人が、その人らしく安心して暮らせるように生活療養看護の事務全般をします。病院や福祉施設への入所・通院時の費用支払いや、ご本人の住居契約や解除の手続きを代理で行います。

成年後見人ができない(業務に含まれていない)こと

成年後見人ができない(業務に含まれていない)ことは次のようなことです。

 

・医療行為の同意

成年後見人は医療行為への同意や承認をすることができません。支援をすることは可能ですが、最終的な判断は後見を受けるご本人となります。

 

・身分行為

法律上の身分に法律効果を発生させる行為や変更は認められていません。養子縁組や婚姻、離婚や子供の認知がこれに該当します。

 

・身元保証人、引受人などの保証人にはなれない

成年後見人は財産の管理をおこなう代理人ですが、依頼者本人が行う行為における保証人になる義務はありません。

 

・事実行為

身上監護をしますが、成年後見人が介護等における事実行為は行いません。介護や送迎、病院への付き添いなどは別途専門の方がおこないます。

 

・遺言書の作成

後見人の配偶者、子供などに利益をもたらす様な遺言書の作成は認められていません。

成年後見人が遺品整理をする際の注意点

前途にて成年後見人の業務範囲や業務期間をご説明いたしました。契約の期間はあくまでも後見人を受けるご本人が生存している期間内となります。よって財産や不用品の整理を考えている場合は事前に生前整理をする必要があります。

遺品整理はできない?

成年後見人は死後事務ができないとお伝えしましたが、これは「法定後見人制度」の場合であり​​「任意後見人制度」は事前に契約すると遺品整理ができます。

「任意後見人制度」では、ご自身の要望で「死後事務委任契約」が結ばれるケースがあります。認知症などで意思能力が低下する前に「死後事務委任契約」が必要かよく考えて後見人に相談しましょう。

成年後見人からの依頼経験が多い業者に依頼する

親族が遺品整理をするのと成年後見人が遺品整理をするのは勝手が大きく異なります。成年後見人が遺品整理を依頼する場合には、多くの必要な書類を提出する必要があります。慣れていない業者にお願いすると思わぬトラブルになることもあります。依頼経験が多い専門業者にお願いするとよいでしょう。

成年後見人が生前整理を依頼するとメリットが多い

判断能力が低下していくと、必要なものと不必要なものの区別ができなくなります。整理整頓ができていないと本当に必要な書類が行方不明になったり、誤って処分したりすることもあります。専門の業者に依頼することで、カテゴリー別に分別などしてくれますので、いざという時に安心です。

まとめ

仙台で成年後見人が生前整理や遺品整理をする方法をご紹介しました。遺品整理は条件と別途契約が必要となるので気をつけましょう。事前に生前整理をすると沢山のメリットがあるので専門業者に相談してみて下さい。